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(5)衝撃水圧の模型実験のシミュレーション
船舶技術研究所で実施した2次元の水面衝撃実験4)の解析結果から、Chuangの指摘したWagnerの理論値は大きすぎるという現象は、計測に原因があることが予測された。水圧センサーの受圧面の大きさと模型の大きさ、あるい衝撃圧のピークの巾の関係で計測値の大きさが変化すると考えると現象がうまく説明できることが分かった。このため実験に対応する数値シミュレーションを実施した。衝撃水圧にはWagnerの理論による衝撃水圧を使用した。検討の結果、実験結果をうまく説明できるものであった。また、同時にWagnerの理論による衝撃水圧を用いて、襖模型の底面パネルの歪みの応答計算を実施したところ、実験値と良く合っていることが分かった。これらの結果は、襖に対してWagnerの理論が問題なく適用できることを示している。
このため、同様の解析をChuangの2次元の裸形模型の落下実験と円錐の落下実験について実施した。襖にはWagnerの理論、円錐にはChuangが導いた理論式(Wagnerの理論の拡張)による理論値を衝撃水圧として与えた。図−8は理論による衝撃水圧係数と実験結果による衝撃水圧係数、及び理論による衝撃水圧に対して、圧力センサーにより計測されるであろう値をシミュレーションにより求めた衝撃水圧係数を示している。シミュレーションの結果が計測結果に非常によく合っていることが分かる。

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図−8 衝撃水圧の計測値と計測の推定値の比較

 

 

 

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